それはDAYS NEOから始まった #29 『ぼたもちさま』津々楽はじめ先生×担当編集者インタビュー

それはDAYS NEOから始まった #29 『ぼたもちさま』津々楽はじめ先生×担当編集者インタビュー

マッチング型マンガ投稿サイト「DAYS NEO」から連載に繋がった作者と作品を紹介する「それはDAYS NEOから始まった」、第29回!

今回は2025年9月にNTTソルマーレ株式会社・シーモアコミックス編集部 永野(以下、永野)とマッチングし、2026年4月1日(水)よりSNSの先行配信にて連載を開始した『ぼたもちさま』の津々楽はじめさん(以下、津々楽)にインタビュー。

津々楽さんの「大好き」が詰まった『ぼたもちさま』が着想から完成までの道のりをどのように歩んだのか。また、連載を勝ち取るために担当編集がどのようにアプローチをかけていったのか、ふんだんに聞かせていただきました。お二人の熱意を通して『ぼたもちさま』の魅力に迫るインタビューをぜひご一読ください!

『ぼたもちさま』
どうぶつのぽてっとしたほとけさま「どぽっけ」たちがいる世界。
あざらしのほとけ・ぼたもちさまは少年・みつきくんの祖父母のお寺で一人前を目指して修行中!
彼らを中心に、河童やコアラなどたくさんの「どぽっけ」たちが繰り広げる、笑って、ボケて、可愛いほんわかな日常をお届けします!
津々楽はじめ
2025年9月 DAYS NEOに『ぼたもち(ネーム)』を投稿。
2026年4月1日 ぼたもちさま 公式Xよりマンガ配信開始。
シーモア ながの
シーモアコミックス編集部 所属。
2025年9月 DAYS NEOにて津々楽はじめさんとマッチング。


本インタビューは作品の内容に深く言及する記事になっています。
ぜひ『ぼたもちさま』のアカウントをチェックしてからご覧ください!

最後は自分が本当に好きなものを描こうと考えていました


―DAYS NEOに投稿したきっかけを教えてください。

津々楽:
DAYS NEOさんのことは元々知っていて、作品を描きあげたあとの投稿先の選択肢として、自然と頭に浮かんだんです。

持ち込みだと、どうしても自分が知っている出版社や編集部しか選択肢にあげられないじゃないですか。でもDAYS NEOさんには色々な出版社・編集部の方がいるので、自分では思いつかないけど自分の作品に興味を持ってくれる編集者さんに出会えるところがいいなあと思っていました。

―「編集者との出会い」を求めて利用してくださったんですね。

津々楽:
はい。編集者さんから『ぼたもち(ネーム)』への感想やアドバイスをいただきたくて…!DAYS NEOさんはネームの状態でも投稿できるので、とってもありがたかったです。

―『ぼたもち(ネーム)』を描こうと思ったきっかけはあるのでしょうか?

津々楽:
正直、この作品を描く時に「これでダメだったらマンガを描くのをやめよう」と思っていました。

―えっ、そうだったんですか!?

津々楽:
はい。なので、最後は自分が本当に好きなものを描こうと考えていました。

『ぼたもち(ネーム)』を考え始めた時期、近所の動物園によく行っていたんです。そこにアザラシがいるのですが、マンガ制作で切羽詰まった心がすごく癒されていました。これを題材に何か描きたいなと考えたのがきっかけです。

永野:
私もその子を動画で見たことがあるんですが、めちゃくちゃ可愛いんですよ~!

長文のメッセージがもたらしたマッチング

―お二人は、シーモアコミックスがDAYS NEOに加入してからたった1ヶ月というスピードでマッチングされていますよね。永野さんが投稿作『ぼたもち(ネーム)』に担当希望を出した理由を教えてください。

永野:
DAYS NEO加入直後、積極的に使っていこうと思っていたタイミングで『ぼたもち(ネーム)』のサムネイルを見かけて「何だこの子は!?かわいい!!」と目を奪われました。ネームでの投稿だったんですが、1ページ目からめっちゃ可愛いんですよ。

『ぼたもち(ネーム)』のサムネイル。
ネームの状態でも伝わる可愛さ。
※編集者限定公開作品

永野:
しかも作品を読んだら、いわゆる“キャラクターもの”のマンガとして成立するキャラの可愛さがありつつ、そのうえでストーリーがしっかりしているところに惹かれました。

「アザラシと街の中で共存する」って現実ではありえないんですが、主人公の少年以外は全員ぼたもちさまの存在を当たり前に受け入れていて。だから読者もぼたもちさまをすんなりと受け入れられるストーリーになっていると感じました。キャラの可愛さと、色んなストーリーを描けそう、という期待感を込めて担当希望を送りました。

―そんな期待感を伝えようと努めた結果、あの長文メッセージになったんですね。

永野:
はい(笑)。長文で送っちゃいましたね~。

DAYS NEOは他の編集者が送ったメッセージが公開されていますし、各々が「自分を選んでくれ!」ってマンガ家さんに告白する場所なので、しっかりと気持ちをしたためました。

永野さんが担当希望した際に送ったメッセージ。
1スクロールでは収まりきらないほどの文量。

―津々楽さんは3人の編集者からメッセージと担当希望を受け取られましたが、どんなお気持ちでしたか?

津々楽:
心の中でガッツポーズしたくらい、めちゃくちゃ嬉しかったです!何かコメントをいただけたらいいなあと思ってはいたのですが「本当に来るとは!」と驚きました。メッセージが届くたびに「また来た!しかもめっちゃ長文じゃん!」と、嬉しすぎて意味わからないくらい読み返しましたね(笑)。

2つもメッセージをいただいて恐縮していたのですが「もっと担当希望やメッセージが来るかもしれない…!」と期待を込めて、マッチングを決めるのに時間をかけさせてもらいました。

そしたら永野さんからも担当希望とメッセージをいただけて。率直に嬉しかったですし「こんな長文でメッセージもらえるんだ!」と感謝の気持ちでいっぱいでした。

―メッセージを受け取った編集者の中から、最終的に永野さんを選んだ決め手は何だったのでしょうか?

津々楽:
お三方とも気持ちのこもったメッセージをくださったので、どの方とマッチングするか本当に迷ったんです。『それはDAYS NEOから始まった』の記事を読んで、運営さんにマッチング相手を相談できることも知っていたので、そうしようかとも考えました。

でも、最終的には「ぼたもちさまを世に出すご相談をさせていただきたいです」という永野さんの言葉に惹かれて決めました。

この作品がダメだったらマンガをやめようと思っていましたし、この作品を少しでも早く、何かしらのかたちで世に出せたらと考えていたので…。最後は直感で決めさせてもらいました。

正直、いまも夢うつつな感覚です


―マッチングした後はどのような流れでコミュニケーションを取りましたか?

津々楽:
最初のメールのやり取りで打ち合わせ(電話)の日程を決めました。電話の2週間後に永野さんが自分の家の近くまで来てくれて、対面でお会いしました。

―対面での打ち合わせまで、かなりスピード感がありますね。永野さんはマンガ家さんとの距離の縮め方にこだわりがあるんですか?

永野:
特に意識していたことはなくて、原稿を一緒に見ながら直接打ち合わせしたほうが進みやすいと思ったので、津々楽さんのところにすぐ伺った感じですね。

―永野さんから津々楽さんへの期待、そして『ぼたもちさま』への愛を感じる行動力ですね!津々楽さんはこのスピード感をどう感じていましたか?

津々楽:
正直、いまも夢うつつって感じです。

打ち合わせ前、既に永野さんがシーモアコミックスの編集長にネームを見せてくださっていたみたいで。最初の電話の時点で「連載」という言葉が出たんです。

永野さんの「ぼたもちさまを世に出すご相談をさせていただきたいです」という言葉に惹かれてマッチングを決めたのですが、「まさかこんなに早く連載のお話があるなんて!」とびっくりしていました。

しかもすぐ会いに来てくださって、「そこまでしてくださるんだ…!」とすごく嬉しかったです。

―実際に打ち合わせをされた際のお互いの印象はいかがでしたか?

津々楽:
電話で打ち合わせをしたときから、とても話しやすい方だなと思っていました。自分は緊張しやすいのでうまく話せるか不安だったんですけど、永野さんが作品をいっぱい褒めてくれたので、スムーズにお話ができました。

永野:
初めてお電話したときも落ち着いたトーンでたくさん話してくれたので、後日対面で会ったときに「緊張していた」と聞いてびっくりしました。

私からの印象でいうと、さすがぼたもちさまを生み出した方だなぁという印象でした。一緒にアザラシの動画を見ながら可愛いポイントを話すなかで、津々楽さんって可愛いものが元々お好きで、そこに愛を持って作品を描いているから、ぼたもちさまがあんなに可愛いんだなと感じました。

『ぼたもちさま』#習性より。
キャラクターの愛らしさが伝わってくる。

「疲れた世の中にはぼたもちさまが必要なんです!」と熱弁して連載を勝ち取りました


―連載決定までの歩みを教えてください。

永野:
シーモアコミックスの作品は電子配信が基本なので、紙媒体よりも連載企画は通しやすいと思います。掲載作品のページ数などの縛りもないので、編集長と担当編集で相談して、作品のよさを握り合えれば企画を通すことができる環境です。

―編集長には『ぼたもちさま』の魅力をどのようにプレゼンしたんですか?

永野:
「時間をかけて育てていくキャラクターもの」の連載がないシーモアコミックスにとって『ぼたもちさま』の企画自体がチャレンジでした。ですが、連載作品にそういった作品があるということはレーベルのブランディングに繋がると思うし、キャラクターものの連載がないからこそ挑戦してみたい!と伝えました。

最終的には「疲れた世の中にはぼたもちさまが必要なんです!」と熱弁しました(笑)。そしたら編集長は快く「やってみようよ」と背中を押してくれたんです。

『ぼたもちさま』#ドジとドジより。
気が抜けてしまうような可愛さが表れているストーリー。

―編集部内でこんなやりとりが行われていたことを津々楽さんはご存知でしたか?

津々楽:
編集部内のフィードバックはその都度教えてもらっていたのですが、こんなに細かい内容は初めて知りました。自分の作品に対してたくさん話し合ってくれていたことに驚きもありますが、編集部全体で向き合ってくださっていることがわかって嬉しいです。

永野:
『ぼたもちさま』の連載形態について、フルカラーにするか否か、1ページ読み切りか否かなど、編集部内で時間をかけて検討しました。

配信方法はSNS先行配信に決定したのですが、検討中にはシーモア先行配信じゃなくていいのか?などの声もあがって。ただ『ぼたもちさま』はSNSでの配信に向いている作品だという編集部内の声もあり、フルカラーかつSNSでの先行配信でお願いできないか、津々楽さんにご相談して企画を詰めていきました。

―作品の魅力を最大限活かすために検討を重ねていたんですね。連載の準備を進めていくなかで、津々楽さんはどんな感想をお持ちでしたか?

津々楽:
フルカラーでのSNS配信は正直自分の想定していた形ではなかったです。ただ作品の系統からカラーやSNSでの配信が効果的という永野さんからの提案には納得感があって、ポジティブな印象でした。なのでぜひやってみたいとお伝えしました。

ネーム2ページ分のカラーを見たいと言われて、そこでほぼ初めて色塗りをやってみたんです。

―初めてだったんですか!?

津々楽:
学校の美術の時間にやったくらいですね。あとは一回だけ結婚式のウェルカムボードを描いたことがあります。

できるかなという不安もあったんですが、モノクロよりもカラーのほうが可愛さが倍増すると感じたので「カラーでやりませんか」という永野さんの提案に今でも感謝しています。

―『ぼたもちさま』の世界観やストーリーはどのように生まれたのでしょうか? 

津々楽:
論理立てて考えたというよりは好きなものを描いていった感じですね。夏っぽい、ノスタルジックな雰囲気とか。

あとは、マンガ制作で落ち込んだ時に自分は祖母からの電話でよく励まされていたので、自分の祖母のような何でも笑い飛ばすおばあちゃんとかを出したいなーとか考えていました。

自分としては、好きなものと描けるものをぎゅっと詰め込んで描いていった感じなんです。

『ぼたもちさま』#えんがわより。
カラーが効いた夏のワンシーン。

ぼたもちさまの可愛さを表現することに全フリしています

―絵柄に関するこだわりを教えてください。 

津々楽:
絵に対してはめちゃくちゃ強いこだわりを持っていて、妥協したくないところがありますね。

実は『ぼたもちさま』以前の作品とはまったく絵柄が違うんです。以前は自分で写真を撮ったりしてリアルなタッチで描いていました。その頃から今のような可愛い絵柄を描いてみたいなと思っていて。『ぼたもちさま』を描く時にちゃんと「ぼたもちさまに合う絵柄」にしようと変えていきました。

『ぼたもちさま』の可愛さを表現することに全フリしていった感じです。

―なるほど。だから作中の建物や屋内にリアリティがあるんですね。

『ぼたもちさま』#朝の修行より。
可愛い絵柄の背景のリアリティから、津々楽さんの画力が伝わる。

津々楽:
ありがとうございます。今の絵柄で、ぽってりとしていてぎゅっと抱きしめたくなるような感じとか、あと絶妙に何を考えているか分からないきょとんとした顔の可愛さを、マンガを通してお伝えしたいです。

傍からみたらよくわからない行動だけど、ぼたもちさまは真剣にやっているというギャップも感じてほしいなと思っています。

永野:
ドジなところもあるけど本人は大真面目に色々やっているところがぼたもちさまの魅力ですよね。「んにゃ」しか話せないのに感情が伝わってくるところも、津々楽さんの表現力の賜物だと思っています。

あと、津々楽さんの描き文字もすごく可愛いんですよ。ぼたもちさまの可愛さを引き立たせているところもぜひ注目してほしいです。

『ぼたもちさま』#おふろより。
泡でもこもこのぼたもちさまの可愛さをさらに表現する描き文字。

―最後に、改めて読者の方へ『ぼたもちさま』のおすすめポイントを教えてください!

津々楽:
まずは何より色んなところにすぐハマってしまうぼたもちさまの可愛さに、皆様にもハマっていただけたら嬉しいです!他にもぽよんぽよんっと跳ねる姿、キョトンとした顔、ハマってる時のぷにっとしたお腹、全てにあざらしの可愛さを詰め込みました。

また今作はぼたもちさまをはじめ、ぎゅっと抱きしめたくなるフォルムの可愛いキャラクターがたくさんでてきます!そんな彼らとぼたもちさまが織りなす「可愛い」と「笑い」が詰まった癒しの日常を楽しんでいただけたら嬉しいです。

永野:
何度でもお伝えしたくなるほど、ぼたもちさまがとにかく可愛いです!

彼が彼なりに精一杯生きている姿にクスっと笑ったり、癒されたり、読者の皆様に元気をお届けできればと思っております!

津々楽さんの柔らかいタッチで描かれるノスタルジーな雰囲気や細かい遊び(例えばみつきくんのTシャツの柄)も可愛いので、1ページ1コマずつ楽しんでいただけると嬉しいです!『ぼたもちさま』を何卒よろしくお願いいたします!

―お二人とも、連載前のお忙しいなかありがとうございました!

津々楽:
ありがとうございました!

永野:
ありがとうございました。

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