エンパシーの岸辺【監督・石川泰地】

石川泰地

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石川泰地

海へのドライブは、殺したはずの親友と。

監督・脚本/石川泰地

1995年生まれ。早稲田大在学中に自主映画制作を開始。2023年、『じゃ、また。』が第45回PFFアワード2023にて映画ファン賞を受賞。2024年にはテアトル新宿をはじめ、全国で特集上映が組まれた。過去監督作に『巨人の惑星』(2021)など。

制作: 曲輪合同会社
アカリ: 藤井武美
ハルカ: 藤丸 千
エグゼクティブプロデューサー: 野間省伸
プロデューサー(講談社): 永盛拓也
上映時間: 24分

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シネマクリエイターズラボ

あらすじ

婚約者に浮気をされた女が、浮気相手(ルームメイト)を衝動的に殺害。
死体をキャリーケースに詰め込んで海へ捨てに行こうと車に乗り込むと、
死んだはずの彼女がキャリーケースから這い出した。

せっかく殺したんだから、黙って死んでてよ
死人に口なしって、私は適用外らしいわ

日ごろの憤懣をぶつけ始めた二人は、互いに食い違う記憶の糸を手繰り寄せていく。

講談社シネマクリエイターズラボ・第2期優秀賞受賞作

石川泰地監督より

二人の女性にとって人生の“ターニングポイント”となる、ある一晩の奇妙なドライブ。

引き返すべき地点はとうに過ぎてしまい一直線に海を目指す車の中で、時間や立場はまるで波のように行ったり来たり。

エンパシーとは「もし自分が相手の立場なら」と他者の考えや気持ちを想像すること。人はそれぞれの視点からそれぞれに世界を見て、悲しいかな、現実においてそれがぴったりと重なることはまずあり得ません。しかしだからこそ想像する努力を怠ってはならないのでしょう。男性である私が女性を主人公にした映画を監督する上でも、それは常に必要とされることでした。

ジャンル映画への敬愛に由来する不条理な展開の中にも、彼女たちには再び互いを慮れる関係になってほしい、そしてその先に引き返すことができる場所を用意したいという、切実な願いを込めたつもりです。

スタッフ・キャストの皆さんの技術とエネルギーが画面に漲る映画になりました。と同時に、ものすごく自分らしい映画を作らせていただいたとも思います。最後まで私のわがままを聞いてくださった皆さんに本当に心から感謝しています。

観客に見ていただくことで映画は完成しますので、できるだけ多くの方にご覧いただけたら嬉しいです。早く、あの岸辺へ、皆さんをお連れしたい!

2025年、国際映画祭に挑戦中!

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