あらすじ
息子の意識が戻り目を開けることを願い、
好きだった童話シリーズの本を読み聞かせる母。
テトの自由になりたい(元気になって学校にいきたい)という気持ちと、
母の読み聞かせに導かれるように、
現実の世界にはいない様でいる人々の世界がテトの頭の中で広がっていく。
テトはベッドに乗って学校に行き、
孤独な灯台守はカモメにモーニングを頼む。
品種改良に成功した農婦はキノコの家に住み、
引退した鉄道員は夜空に汽車を走らせる。
様々な人々が明日に夢を見る中、
逃れたいための空想に現実の厳しい波が打ち寄せる。
そして、少年テトも暗闇に迷い込んでいく。
講談社シネマクリエイターズラボ・第2期優秀賞受賞作
古山俊輔監督より
想像をテーマにした映画です。
幼い頃、お化けやテーマパークの恐竜を怖がったり、
ぬいぐるみに話しかけて友達になったのは、彼らが実際に生きていると信じていたから。
そのおかげで、楽しく、少しだけ不思議な日々と共に成長できたのではないでしょうか。
大人になり、そう思うことができなくなるのは、
現実社会と自分自身の決めつけが、自らを追い詰めているからなのかも知れません。
子供の想像が自由なのとは対照的に、大人の想像はどこか現実的なものになり、
それを受け入れていかなければならないと思うのは、避けられないことなのかもしれません。
世の中は不公平で、与えられた環境で生きていかなければならず、
現実から目を背けたい人々が沢山います。
それでも朝、目を開けて、平等に与えられた朝日の暖かみを感じ、
光の中に幼い頃に見た一瞬の空想を見つけ、
今日は素敵な一日になるかも知れないという心を持ってゆきたいと考えています。
公開情報・映画祭情報(2025年7月30日現在)
・ショートショートフィルムフェスティバル&アジア2025 (日本)【入選】
・ワシントンDC国際短編映画祭2025 (アメリカ)【入選】
